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行動中の補給に関する考察

最近に2回のロングトレイルで、行動中の補給の少なさが顕著になってきた。
大峯早駆 8h
北アピークハント 11.5h

摂取した熱量は大峯と11hオーバーの北アでも700kcal未満という驚愕の数値がでた。
心拍計に表示された消費熱量は、いずれも4000kcal オーバーであるにもかかわらず。

しかも、いずれもきちんとした朝食はとらず、リエータシリアルバー 50kcal x 2の100kcalのみ。
北アの場合、起床した午前2時40分から、わさび平小屋のBCに戻る13時間をたった800kcalで行動していたことになる。

これ、デスクワークをしてる一般人の朝、昼食で摂取する熱量より少ない。自分の24hの基礎代謝を約1600kcalと考えると、13hで800kcalだから、ほぼ基礎代謝分しか摂取していないことになる。

しかもかたやレース、もう一方も北ア1day、短縮率50%ロングトレイルラン。補給不足によるパフォーマンスは一切なし。なぜこのようなことが可能なのだろうか。

そもそも、

行動中に摂取する熱量=消費する熱量

ではない。

今回の北アの例だと、摂取/消費カロリーレシオは、

680 / 4300 = 15%

程度となる。

行動中のカロリーを計算し無理して詰め込みながら、ハセツネに挑むランナーもいるかもしれないが、今回の実践例が示すとおり、行動中に消費するカロリーを全て行動中に摂取する必要はない。

理由は簡単。体に無尽蔵にある脂肪および筋グリコーゲンがエネルギー源となるかだ。

以降、自分なりの考察をすすめていく。

かまいけ式で提唱されているように、元来人間は1日1食で、捕食した後は寝る。ここが重要。捕食するために行動するのであって、捕食したあとに行動するのではない。ゆえに、空腹時でも行動し続ける機構が備わっている。

1つは、体に無尽蔵に存在する脂肪をエネルギーとする脂肪酸-ケトン体システム。ようは脂肪をメインエネルギーとする持久的運動能力である。ただし完全に脂肪由来のエネルギーのみではなく、血糖値を適正に保つのと脂肪を燃焼する際の種火としての糖質が必要である。
もう1つは糖新生。自ら糖質を作り出す機構でありこれが働けば、原則、糖質を摂取する必要がない。トレーニング通の人なら糖新生は筋肉が溶け出すやつ?と危険視するかもしれないが優先順位として脂肪酸を由来とする糖新生が先で、筋肉を溶かすような糖新生は数日絶食がつづかないと起こらないので心配無用。

理論上補給ゼロで12hのトレイルランも可能では?と思えるが実際は難しい。マフェトンレベルの強度でも2hを超えてくると空腹感が沸いていくる。これは運動中には糖新生だけでは糖質の消費がまかなえず補給なしでは血糖値が低下してしまうのではないかと思う。血糖値の低下は生命の危機を意味し(運動している場合じゃない)、最後は行動不能となる。いわゆるうシャリばて。ゆえに、パフォーマンスを維持するためには、血糖値を維持すればよいとの結論に達する。

つまり、行動食は消費するカロリーの大小とは無関係、最低限の血糖値を維持するためのものなのである。

ここで注意。血糖値を下げらなければよし!と思って、決して大休憩をしておにぎりやチョコ(スニッカーズ)などを馬鹿食いしないように。急激な血糖値の上昇はインシュリンの放出→さらなる血糖値の降下を招く。いわゆるインシュリンショック。インシュリンショックにならないまでも、ロングラン中、食べても食べても腹が減るという状態に悩まされたことはないだろうか。

2004年の京都1周トレイルランの補給量を見よ!
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/matsudah/trail2004.html
まさにスニッカーズ(300kcal)無限地獄に陥っている。
摂取熱量は1000kcalオーバー、あの頃僕は若かった。

かまいけ氏のいわく野生動物は捕食した後は寝るだけなので、がっつり食べて腹がこなれるまで休憩を取れば、動けなくなるのは言うまでもない。しかも本来摂取すべきではない、糖質を多量に摂取すればなおさら。まさに体が冬眠体勢に入るのだ。

人間は主食は骨髄だったといわれている。食料をもとめて、サバンナをうろつくときの主な運動は歩きだったと思う。つまり、歩きより強度の高い運動でパフォーマンスを維持するために行動食が必要になるのではないかと考える。

もう1点、筋グリコーゲンに関する仮説。私は筋グリコーゲンの枯渇を行動中の補給によって補うことはできないと考えている。なぜなら、たとえば10kのロードレースを5kmロードレースのペースで突っ込む。当然5kを越えたら失速するから、レース前、レース中にブドウ糖などの単糖類をぶち込めばペースが維持できるかというと、否。筋グリコーゲンの逸失は、不可逆である。

やはり補給の目的は血糖値の安定(血糖値の維持)のみと考えるのが合理的である。

行動中の補給とは関係ないが、全ての持久系競技のパフォーマンス、およびゴールタイムを決定するのは筋グリコーゲンの貯蔵がゼロになった時点である。レースが始まれば時限爆弾のように筋グリコーゲンは不可逆に減り続ける。ゆえに、レース時の強度設定を適正にし、および一瞬でも高強度な動きをセーブする強度の平準化が重要なのである。


結論(経験にもとづく仮説だらけだけど):

行動中の補給は血糖値の安定(血糖値の維持)をはかるためであり、パフォーマンス低下、インシュリンショックを防ぐためにも、血糖値が維持できる限り1回の補給量は少なければ少ない方がよい。頻度、量、種類は自分で見つけ出す。

何を食べるか:

今回の考察で1回で食べ過ぎなければ、単糖類もあり(スニッカーズも含めて)だろう。そう考えると消化という無駄なエネルギーが少ないブドウ糖が最強である。ただし、1回の摂取量を極力すくなくするため補給回数が増える。故新井氏提唱のようにブドウ糖溶液にしてハイドレでちゅうちゅやるのがベストか。

ブドウ糖液がつくるのは、めんどくさいのでパワージェルまたはカーボショッツが第1選択になる。私の1回の摂取量だと1ショットでは多すぎるので、勝負時にはジェルフラスクに入れることが必須。これもこまめな補給が重要。

パワーバーは吸収スピードが異なる糖類が複数まぜこまれており、補給間隔をジェル系より長くとることができる。ただし、お腹がぎゅ-っと鳴ってすばやく補給したいときは不向き。また市販のパッケージのままだと行動中食べにくすぎるので、レースに使うなら細かくちぎるってラップするなどの工夫が必要。


糖質に頼らない体をつくる:

食べなければ動けないという思い込みは捨てること。食べなくても動ける体を作ろう。ただし、京都1周トレイルランの例もあるように、一朝一夕に今の状態になったわけではない。

・朝食は糖質の主食はゼロ(ヨーグルトの乳糖&蜂蜜少々のみ)
・昼食、夕食のご飯は茶碗1/3~1/4
・クライミングなどの高強度な運動後はプロティンと同量の糖質は摂取
・2hまでなら完全空腹で運動
・2hまでなら無補給
・レース当日も朝食は極限まで少なくする(富士登山、大峯で実践!)

上のような食生活を全く苦もなく(むしろ快調)、去年の足首負傷以来継続中。ダイエット中の空腹感一切なし!

参考リンク:
http://kyoto-trailrun.lolipop.jp/main/2007/11/post_268.html

人間は本来、糖質はとらなくてもよいというのがどうしても信じられないなら、次の本を読むべし。リンクは張らないので適当にぐぐってちょ。

『糖質ゼロの食事術』
『親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る』

かまいけ氏の本を読めばわかるが、糖質は人間にとって毒以外なにものでもない。少なくともデスクワークオンリーなら百害合って一利なし。とは言え、かまいけ氏のように求道的に糖質ゼロを貫けていない。食の文化としての糖質摂取は3大栄養素としてではなく、コーヒーや酒など嗜好品の範疇として摂取している。


最後に:

ハセツネなどのロング向けに体をつくるというと、すなわち、いかに糖質にたよらず脂肪をエネルギーの中心にできるかである。そのために糖質を摂取しないという方法は一番の近道であり、去年からの今年にかけて私の体の変化がそれを証明している。実際、体調不良→富士登山競走ときて、ロング練習は1本もしていないのに、大峯早駆と北ア1日走をかなりのパフォーマンスでこなせた。ある意味、ロング仕様の無敵の体を手に入れたといえる。

『お腹がへるから私には無理』とか言ってないで、とにかくやってみなはれ。

その効果は、体質改善、アンチエージング、メタボ改善、持久力向上、行動中の補給量減少・・・

デスクワーク&持久系トレオンリーなら糖質は不要ですよ。本当ですよ。

結局、行動中の補給に関する考察から糖質制限の話に行きついてしまったがこれが真理です。

あーエントリー長。

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コメント

おつかれさんです、ありがとうございます。
血糖値を維持するための補給というのは現実感が強いです。

糖質に頼らない体つくりは非常に難しいですね。
出張の日は麺食い率が非常に高いです。
ただ、無駄に糖質を摂り過ぎないような意識はするようになりましたが。

> 糖質に頼らない体つくりは非常に難しいですね。
主食を抜くのは簡単です。
むしろ、たんぱく質と脂肪を必要量摂取するのが鍵ですね。

> 出張の日は麺食い率が非常に高いです。

運動できない出張日の麺喰いはかなり危険なので控えましょう。

これまでの習慣を絶つのは決意が必要です。
強くなりたいとか、自分を変えたいという思いが勝つか
麺の誘惑に負けるか、ご自身で決めることです。

ただ、決意といっても苦痛に感じたことはほとんどないです。
また私は無類のラーメン好きです。でもクライミングした日に
食べるとか、ランニングのみの日なら麺を半分にするとか、
天一などスープにボリュームがあれば、気合の麺全部残しとか、
やりようはいくらでもあります。

やはり、楽しんでやることが重要ですね。

お初
ブドウ糖話すると・・・
新井君に伝授したラムネ菓子自作はまあイケマス
ただし小さいの作るのメンドイんで世界最大のラムネ菓子作ったら大失敗だったけど・・・

今はブドウ糖がっぽりの自作しっとりケーキに落ち着いてます
市販の全ての行動食よか美味しい

日持ちしなくて良いんなら自作ウイロウが最強

で、最強のトレは山行って気がつくことになる
冬の二泊山行なら北アどころのカロリー消費量と違います
私の記録だと3日レンチャンでフルマラソンより多かった

実感として1年では体ができないんだけど
まあ当たり前か?
とも思うこのごろ

Tメイさん。京クラではお世話になってます。

ラムネ、しっとりケーキ、レシピ教えてください。

>で、最強のトレは山行って気がつくことになる
>冬の二泊山行なら北アどころのカロリー消費量と違います

確かに。今年の冬から雪山をやりだしてロードレース強化(フルマラソン)はやらなかったのですが
しっかり春のレースではベストがでたのですよ。

またクラックご指南願います。

私は肉体労働なので、朝ご飯はけっこう食べますが、昼は蕎麦くらい、夜はビールでご飯はなし
こんな生活をずっと続けてるので、普通のひとより主食の量が少ないかも?
最近のレースでは、パワージェルとメダリストを水で薄めたのを使ってますが、とても調子いいです。

ゴンさん、早起き過ぎ!

勤務がハードなゴンさんの場合、朝御飯をしっかりたべても、ちゃらになります。
筋肉への糖質取り込み回路が働くからですね。
朝御飯量はわかりませんが、主食はあきらかに少ないと思います。また、ゴンさんの練習、運動量から考えて実質かなりの糖質制限をやっているのとかわらないと思われます。

たんぱく質と脂肪不足に気をつけてください。

私はメダリストは直接ぶち込むのが好きですがなかなか快調です。

ウイロウ
砂糖かブドウ糖100g 小麦粉100g 水300cc
これがデフォルト
この溶液を1Lの牛乳パックに入れて7分から8分チン

ココナッツミルク+黒糖
とか
サツマイモ
とか
アンコ
とか
いろいろバリエーション可能

しっとりケーキ
小麦粉50g 砂糖かブドウ糖70g ベーキングパウダーちょっと(たぶん3gぐらい) ハチミツか水あめ50ccぐらい 全卵1個
油を溶かしバターにするかオリーブオイルにするか
10ccぐらい
これがデフォルト

ここに焼酎で戻したレーズン マーマレード
ココナッツファイン アーモンドパウダー クルミの刻んだの
なーんかをありえんほど投入
レーズンは100g入れるし
クローブ シナモン スターアニス キャラウェイ等々気分でどーぞ

で混ぜ混ぜして扁平なキャセロールに入れて
3分チン
その後オーブントースターで表面を焦がして出来上がり

市販の行動食食うやつはド素人だって理解するはず

あ、それからイワユルランナーは山では使えません
体力と筋力が足りない
宮内はヒルトレすれば山で強いと主張してるけどあいつと山行したことないし

山用にトレを考えたけど結局断念
平日のトレはコンディショニングになってしまった
鹿屋大山本氏とはこの辺で微妙に合意する場合もある
山の体力ってナゾだらけなんです、実は

高所用トレだけは意味がありますけどね

行動中の栄養摂取の話は
ネパールのポーターさん見てれば近代栄養学の破綻は誰でも理解できますよー
ツァンパだけでOKなんだもん

ぜひハッタイ粉とバター茶だけで山岳レースやってほしい


貴重なレシピありがとうございます。
しっとりケーキは、行動食じゃなくても普通にうまそう。

>ココナッツファイン アーモンドパウダー ク>ルミの刻んだのなーんかをありえんほど投入

脂肪も十分摂れますね。なんかテイストが新井さんのようで。

>あ、それからイワユルランナーは山では使えません
>体力と筋力が足りない
>山用にトレを考えたけど結局断念


やっぱ歩荷ですかね。
軽快さがないので今まで避けてきましたが、
爆発的なスピードが必要なければ強力な
トレ方法として必須なような気がしてきました。


お邪魔します。血液検査・・では言いぱなしな感じのコメントで失礼しました。
さて,1dayの長時間運動では血糖値が維持できる限り補給量は少なくともいいというは全く同感です。私も10時間のトレイルランで5000kcalの消費に対して摂取は1000kcalで十分です。カーボショッツをフラスクに入れて少しづつ飲むのも同じです。
考察お見事でした。

かげマルッ さん

その節はどうもです。

補給量の大小、正確には摂取消費レシオとパフォーマンスには相関があるのではないかという実感です。
もう1点、実感に基づく仮説ですが、筋および肝臓のグリコーゲンの消費分は補給しても回復しないのではないかということです。

ここから長時間の運動中の補給は少なければ少ないほうがよい、という結論に達します。

またブログへお邪魔しますね。

約3ヵ月半糖質制限を続けてようやく最近
効果が出てきました。

高尾~陣馬往復の約28kをVESPAとVAAM
だけでやりました!

この二つのサプリは脂肪をエネルギーに変えるのでより効果が出易いと思います。

質問なのですが、水分の消費量が増えるのは糖質代謝からケトン体代謝に変わっているからでしょうか?

また自分は3か月間、炭水化物の個体(米やパン)などを全く口にせず、ナッツ類や大豆の糖質と運動後のブドウ糖のみですが、筋グリコーゲンは回復すると思いますか?

ごぶさたです。順調そうで何よりです。

VAAMはトレ、大昔、トレ前に必ず飲んでました。
あるサイトによると、僅かに含まれる糖質だけでも、脂肪燃焼を妨げるらしく、たとえ脂肪燃焼アミノ酸であっても運動前には摂取しないほうがよいという説があり、最近はそれに従っています。Vespaはレース時のみ使用してます。

そこまで実践されているなら、朝食抜き、2hまでは無補給(水は当然OK)にチャレンジされてはいかがでしょう。
万一のハンガーノックのため、糖質系の補給アイテムは準備してください。
運動後の回復にもつかえますし。


>水分の消費量が増えるのは糖質代謝からケトン体代謝に変わっているからでしょうか?

うーん。詳しくは分かりません。ケトン体を処理するために多量に水が必要となるという話しもありますし、もともとランナーのほとんどは脱水してるという説もあるし。
しっかり水を摂りましょう。今回、おんたけでは前日からの水摂取不足を感じています。

>筋グリコーゲンは回復すると思いますか?
これが悩ましいところです。
かまいけ式の考え方なら、糖新生のみで筋グリコーゲンも回復するはずです。
ただ、すみやかな吸収、損傷した筋肉のすみやかな回復を狙うため、たんぱく質と同量の糖質摂取が必要という説もあります。
ランニングだけならあまり糖質摂取は考えませんが、私は高強度のクライミングもするので、パワーバープロティンプラスを利用しています。たんぱく質16g、糖質20gです。

種類はナッツ類やブドウ糖であろうが何でもいいと思います。すみやかな吸収を狙うならブドウ糖だと思います。

お返事、ありがとうございます。

>そこまで実践されているなら、朝食抜き、2hまでは無補給(水は当然OK)にチャレンジされてはいかがでしょう
もちろんVAAM+VESPAだけで、朝は紅茶一杯だけです。

脱水気味になっていたのは、上記のドリンクの濃度が濃すぎた為に胃液の水分が取られたかもしれません。

最近はまっているのは、体温を上げることでパフォーマンスUPに繋がるのでは?と思い、
日中は生姜紅茶を飲んでおります。
(元々体温が低く朝が弱いため)

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