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朝食抜きでハーフマラソンを完走できるのか

8月に靭帯損傷し、体重維持のためより糖質制限を厳格化。

糖質制限について調べたりトレーニングを重ねるうちに、別段朝食を摂らなくてもハーフマラソン程度なら完走できるのではないかと思えてきた。

まずは、糖質制限派医師の2大巨頭を紹介。

・ドクター江部の糖尿病徒然日記 http://koujiebe.blog95.fc2.com/
・かまいけ式 http://www.kamaike.com/

かまいけ氏は本ブログ初登場。年末あたりから本を読みだした。江部先生の本によると、江部氏の兄のつながりで、かまいけ氏の影響を受けたらしい。

かまいけ式の内容をみると、糖質制限の度合いはさらに厳しく刺激的。1日1食、夕食のみ。糖質は一切とらない。たんぱく質、脂肪とあとは葉野菜のみ。本当に刺激的だ。

しかしこの刺激的な内容も本で理屈を知れば程度納得できる。そもそも人間が3食とらなければならないという必然性はまったくない。野生動物は、食料を得るために活動する。食べた後は、動かずに寝る。これが自然の摂理。

人間も同じ。食料を求めて長距離を移動した。「空腹だから動けない」というのは誤りで、「空腹を満たすために動く」のだ。もしヒトに「空腹でも動きつづけられる機構」が備わっていなければ、現生人類であるヒトは絶滅していただろう。

この「空腹でも動きつづけられる機構」がポイント。

さて、樹上からアフリカの原野におりたとき、何を食べていたのか。

核心は、

「親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る (中公新書) (新書) 」

に譲るとして、江部、釜池両氏ともこれを引用している。

著者島氏は死んだ動物の「骨」を提唱。釜池氏はそこから発展させて、動物の死骸の骨を石で叩き割った後、骨髄を取り出して食べていたとする。江部氏も骨髄主食説をブログで認めている。菜食主義者が聞いたら卒倒しそうな説である。

いささか、脱線がすぎた。何を食べていたかは今回のテーマではない。

ポイントは「空腹でも動きつづけられる機構」である。

すなわち体内に貯蔵された脂肪を燃焼させる能力であり、代謝の重要な一形態である。持久系競技におけるパフォーマンスは、これでほとんど決まってしまうといっても過言ではない。

またマフェトン理論では有酸素運動のトレーニングは空腹時におこなうべき、とされている。初めてマフェトン理論に触れたとき、どうしてもこれに納得できなかったが、やっとその真意が理解できた。

このことから「食べなければ動けない」という説に疑問を感じ、日々のトレーニングにおいて、完全空腹状態で実施することにした。平日なら勤務の後、週末は朝食なしでトレーニング開始。不思議なことに、それまで空腹で腹がギュルギュル音を立てていても、走り始めて体が温まってくると空腹は収まり、体にキレが戻ってくるのがわかった。保険としてパワージェルなどを携帯しても、ほとんどお世話になることはなかった。これにより、少なくともエアロビック領域においては空腹時の運動は全く問題がないことが証明された。空腹時運動の効果については、頼れるエネルギーは脂肪しかないのだから、脂肪燃焼能力を向上させることは間違いない。

釜池氏は医師であると同時にトライアスリートである。しかもロングの。実際にレースのときにも糖質は一切摂らないのかどうか非常に興味深い。

さて、ここまではまだ前置き(長!)。

2007年のレースのうち、最後の2本、富士登山競争と東山36峰では朝食の食べすぎでレース序盤非常に苦しい思いをした。「レース当日何をどれだけ食べればよいか」は7年も走っていて、いまだに答えがでていない難しい問題である。

・練習では空腹時の運動は全く問題がないことがわかった
・最近のレース2本、食べすぎで苦しかった
・「空腹でも動きつづけられる機構」があるのであれば、レースもなんとかなるだろう

これだけの条件がそろれば、実験するしかない。
「朝食抜きでハーフマラソンを完走できるのか」、実際にやってみた。

今回はハーフマラソンなので、運動時間は2h以内。私が出場するレースのなかでは、強度は最強の部類に入る。ここで問題がなければ、他のレースへの応用も可能だろう。

今回の実験では厳密にいうと完全ノーカロリーではない。

胃の中が空という状態をなくすため、アップ20分終了後に以下の2つを注入。

・パワーバープロテインプラス、1かじり(10g程度)
・べスパスポーツドリンク80ml

パワーバープロティンプラスの栄養比:
エネルギー 261kcal
たんぱく質 22.6g
脂質 8.5g
炭水化物 23.7g

糖質を含まないゆで卵があればよかったのだが、旅館だったので調達できなかったのでプロティンプラスにした、一切なにも口にせずに出走するべきだったかもしれない。

とは言っても起きてから出走までに摂取したカロリーは50kcal以下。べスパも含めて糖質摂取量は10g以下。

さて、どこまで持つか実験である。

いつものハーフなら食料はもたないところパワージェルとパワーバー(ノーマル)を携帯。万一ハンガーノックで倒れないための備えとして。

いざ、号砲。ほとんど食べてないので体は軽い。とはいえ、ハーフの強度は高くアネロビックでの調整を1度もしていない身には厳しい。逆に言うと、オーバーペースになりようがない。5k、10kのラップはフルマラソンと同じぐらいの23分台。今の実力どおりと思えるので、朝食を抜いてこの段階までは良くも悪くもないといったところか。

10k過ぎ、空腹を感じたわけではなかったが、最後の爆発に備えるためジェルではなくパワーバーをひとかじりする。量にして5分の1ほど。結果から考えれば、不要だったかもしれない。

15kのラップも23分台。これが今の実力どおりかと思ったが、まだいけそうな感じはあったのでペースをあげてみた。ラスト3kからロングスパート。2回目の折り返しで照準を定めたランナーを一人ずつ抜いていく。最後のジェルはパス。本能を刺激されるのか、前をいくランナーがいればいるほど走りやすくなった。

ラスト1k。紫のジャージのズボンのおっちゃんにどうしても追いつけない。ジャージランナーをみると妙に熱くなるのはなぜだろうか。紫のおっちゃんかなりしぶとい。一番抜きやすい最後の登りでもとらえられなかった。そのまま、昴の郷駐車場までの激下りのスプリント勝負。ここでも追いつけず。下りきってフラットの駐車場へ。ホームストレートへ続くのカーブでようやくおっちゃん力尽きた。最後はいつもの猛ダッシュで1時間35分台でゴール。おっちゃんがいなければ35分は厳しかっただろう。おっちゃん、ありがとう。

20kのラップは21分台、20k~ゴールは3分台を叩き出した。

この15k以降のタイムはハーフベストの'06上野シティのタイムを凌ぐ。ハーフ程度の強度ならば、空腹でも十分勝負になるということがわかった。

以下、わかったこと。

・朝食抜きでもそれなりに戦える
・お腹は軽いがだからと言ってペースが上がるわけではない
・ハーフマラソンの高強度でも可
・ラストのスプリント勝負でも問題なし

レース当日に朝食を抜くメリットはさほどないが、食べすぎでパフォーマンスを落とすリスクは軽減できる。メインのエネルギーはあくまで貯蔵された脂肪なので、朝食べたものがそのままレースで使用されるわけではない。繰り返しになるが、低血糖の引き金となる朝食における糖質の摂取は避けたいのである。

少しだけ、レース当日の朝食メニューが見えてきたような気がするが、まだまだベストの解まではたどりついていない。

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コメント

松田さんのウンチクファンです(笑)

僕もやってましたよ。
朝起きて完全ハラペコ時にじっくりとアップしてから
エアロビック心拍数内で90分程度のランをしてましたが、
不思議と走り終わった後も腹が減らなかったんですよ。
いまから思うと脂肪からエネルギーを得ていた証拠かと。

納得。

パパラさん

どうも、八おつかれさまでした。

>僕もやってましたよ。
さすがマフェトニアン。


>じっくりとアップしてから
>エアロビック心拍数内で90分程度のランをしてましたが、
>不思議と走り終わった後も腹が減らなかったんですよ。

じっくりアップと水分補給が重要でうね。だんだんお腹いっぱいになっていく感覚がたまらんです。
全身が暖まって感覚が鋭敏になっていく~切れるっていうのでしょうか、これですよこれ。
何年もまえからこのような事実を発見していたマフェトン氏は、あらためて凄いと思います。

追伸:
江部先生のブログで面白いシリーズが始まっています。


お久しぶりです。 すごく興味深い記事です。
私のまわりのアスリート(自称)達が、3,000kcal強でハンガーノックになるから・・・云々と話をしていることがあるのですが、
ソロ&ピストンで山を登る時などあまり食事を取らないことが多くて、私の身体って変?って思っていました。
昨年も上高地からの前穂ピストンで、出発時におにぎり一個と頂上で羊羹(コンビニの)一個しか食べなくて、
運動エネルギーは約5,500kcal(ポラール)だったので、どうしても収支が合わないのですが、
でもおなかが空かないし、上高地に戻っても食べなくて平気だし、何故だろうと疑問でした。 

おひさしぶりです。

>どうしても収支が合わないのですが

ハセツネ初心者がよく陥りがちな誤りが、運動で消費したカロリー全て行動食で賄わなければならないと思って、食料をもちすぎるor食べ過ぎることだと思います。

程度の差こそあれ、山岳のロングなど12h程度の連続的な運動を考えると、

{当日の朝食+行動中の摂取カロリー}

{行動中の運動による消費カロリー+その間の基礎代謝量 }

になります。

食ったものが、そのまま運動のエネルギーになるわけではない、と考えるのが自然です。
実際、12h程度の行動になると強度は低く脂肪に頼る割合が多くなるはずで、ますます消費カロリー分を補給する意味がなくなります。(少なくとも行動中は)

結局、朝食と行動食は、血糖値を安定化させるためであり、運動のエネルギー源ではないのではと考えています。
ただし、朝食は摂り方を十分考えないと、逆に低血糖を招くリスクがあると考え、今回の実験に至りました。

食べないからハンガーノックになるのか、
食べたからハンガーノックになるのか。

結果、ほとんど食べなくてもハンガーノックになりませんでした。せきもとさんの山行も同じですね。

>3,000kcal強でハンガーノックになるから・・・

脂肪燃焼系が未発達か、糖質の摂取しすぎで、逆に低血糖を招いている可能性は高いです。
血糖値が下がりすぎると、生命の危機と体が感じてパフォーマンスダウンになるのは当然です。

まさに食べすぎで腹が減るのパラドクスです。


仕事から帰ってから晩ごはんの前にマフェトンレベルでラン、これってやったことないです。
今までどうして思いつかなかったのか!
去年のランナーズで「体を絞る」というテーマのときに匿名ランナーの声として
「レースが近くなると空腹時を狙って2時間ほどロング走を入れる」と端っこにチラッと載ってたのを思い出しました。

食事後だとわき腹の痛みに襲われることも多いので、
空腹時に軽いロードランからはじめてみようと思います。
一度ハンガーノックとの境界って覗いてみたいですね。

勉強材料になるコメントありがとうございます。

>「レースが近くなると空腹時を狙って2時間ほどロング走を入れる」

実はこれマフェトン以前にもやってたことあります。
やってること効果は同じでも、全然別物と思って忘れていました。

当時は、エアロビックベースが構築されなかったので無補給で運動することがきつくて、LSDのようなペースでも、これはフルマラソン前のスタミナ養成を目的とする追い込む練習だったのです。

エアロビックベース=糖質に頼らず脂肪を主たるエネルギー源として運動できる体と考えてください。

今、同じメニューをLSDよりさらに強度が高いマフェトンでやっても、全く追い込むことにはならず、むしろ体は快調になっていきます。

ポイント練習として空腹のロングを入れるのではなく、日頃から空腹状態でエアロビック運動を短くていいから継続していくほうが、より効果的だと思うのです。

2日連続で空腹状態で20時スタートで走ってみました。
食後動くときと違って、心拍数が乱高下しないような気がします。

今まで最大で週3の動く頻度を増やして、そのかわりロングのトレイルランは封印して様子を見てみます。

まだLSDとマフェトンの区別ができません。
「ま」さんのLSDペースは心拍でどれくらいすか?

>食後動くときと違って、心拍数が乱高下しないような気がします。

食後は論外として、できることなら、100%果汁ジュースや、バーム、脂肪燃焼系アミノ酸なども摂らないでいきましょう。

空腹は最大のサプリです。ポイントはじっくりウォームアップすることと、水分補給をしっかりすることです。


>そのかわりロングのトレイルランは封印して
継続してロングはやってもよいですよ。もちろん、できるかぎり無補給で。あったまって1h以上たってお腹がなってしまったら、最小の補給してください。

>まだLSDとマフェトンの区別ができません。
よい質問ですね。私の場合はまったくちゃいます。
LSDは絶対的な低スピードと距離を稼ぐものです。
敢えて定義するなら、キロ7~8分、10k以上、90min以上でしょうか。

体調にもよりますが、105~120拍です。
マフェトン以前は120拍ぐらいだったように思います。
マフェトン領域で、ロードの場合キロ5~6分になるのでミドルからスピードトレに近いのです。


今はniを運動後に。
たまに古傷の左肩と左足首が痛むときにmusashiのjointを摂るくらいです。
今は水分取りすぎるとトイレに行きたくて30分くらいで運動中断になるので、少なめの水分で巡航してます。

ロングの件、頻度アップ重視で今までの週末ロングのみを見直すという意味でした。わかりにくくてごめんなさい。きっとロングトレイルも体が勝手に求めてしまいます^^

LSDのこと、非常にわかりやすい指標ですね。
数値例を出すと、確かに違いますね。
ぼくはLSDのペースをわかってないだけでしたね。
自分のLSDペースも暇あれば検証します。

私は基本的に腹ペコで走ります。
サブスリー達成の時は、2週間に一度日曜日の朝に起きて
そのまま3キロほどジョギングして、ハーフの距離を全力で走ってました。(タイムは90分くらい)
でも帰りの3キロジョギングがいつもヘロヘロで、この辺に限界があるのかな?と感じてました。
基本的にロードから入った選手は、食べない人が多く、そのためウルトラなんかは補給不足で失敗することが多いです。

antoineさん

私はマフェトン理論開始以降、ほとんどLSDをやっていません。LSDによる運動的な効果はほとんどマフェトンで期待できるからです。
しんどさはLSDのほうがしんどいですよ。

全然、話がかわりますが、近々ニューオーリンズ出張があって色々調べてたら、こんなレストランをみつけてびっくり。
http://www.antoines.com/

ゴンゾーさん

ロードの猛者は食わずに走る人が多いですね。

>でも帰りの3キロジョギングがいつもヘロヘロで、この辺に限界があるのかな?


ハーフの全力走ならグリコーゲンが枯渇しているので仕方ないのではないでしょうか。それにしてもえげつない練習法。サブ3はそれぐらいしないとだめなのか・・・。

ウルトラやハセツネでも血糖値が下がると補給は不可欠ですが、下げない工夫はただ食べまくるだけではないというのが面白いところで研究の余地ありです。

LSDはゆっくりで退屈なのを我慢するという、
精神的にしんどい運動なのですかねえ。

ニューオーリンズに出張って、またすごいところですね。北米の地理はからっきしだけど、jazzの聖地ですよね?うらやましい。
レストランはフレンチですね。ルイジアナ植民地の名残がこのへんにあるのでしょうか。

私のHNはフランス映画から来ております。

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